製薬会社いたばさみ管理職のブログ

   製薬業界で生きるサラリーマの日常を描きます。MRの未来を明るくしたい。

MRは生き残っていけるのか?『薬剤師さんのMRに対する意識調査』から考える今後のMR活動

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激変するMR活動

コロナ禍で製薬業界やMRの存在意義に色々な意見が出て来ています。

MRが気軽に医療機関に出入りできなくなり、情報提供の機会が格段になくなっています。

現場でもどうやって医療関係者とコンタクトをとるか思考錯誤している最中です。

 

ある調査では20%近くの医療関係者が医薬品情報はネットで収集できるのでMRの訪問はいらないと言った意見も出てきています。

現場MRで働いている方々のモチベーションに少なからず影響しているのは間違い無いです。

実際、昨年からMRから転職する人も少なくありません。

薬価引き下げや後発品拡大における市場の縮小などアゲインストの風が今後吹き続ける見通しとなっています。

 

そんな中2019年6月日経メディカル がOnline登録薬剤師会員に「薬剤師のMRに対する意識調査」を実施。

製薬会社の社員としては興味深い内容だったので取り上げてみました。

こういった医療関係者からのMRに対するフィードバックは、今後のMR活動をより意味あるものに変えていける材料として捉えていかないといけないと思います。

 

薬剤師さんのMRに対する意識調査まとめ

 

2019年6月日経メディカル Online登録薬剤師会員

「薬剤師のMRに対する意識調査」を実施。 

 

対象

20~80代の幅広い年齢の薬剤師1158人から回答

保険調剤薬局

病院薬局

ドラッグストアに勤務する一般薬剤師

管理薬剤師

薬局長

薬剤部長

エリアマネージャーなどを対象

 

方法

薬剤師の立場から見たMR活動に関する10テーマの実態を調査

 

2019年の調査でコロナ禍では無いので現場はもっとシビアな調査内容であると捉えています。

MRの必要性が問われる現在、日本の医療をともに担う存在として、新たなMRの役割が求められています。今後のスキルアップに役立てばと思いまとめさせていただきました。

 

薬剤師のMRに対する意識調査10のテーマ

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薬剤師のMRに対する意識調査10のテーマ

  1. 1MRとの面会頻度
  2. 21日に面会するMRの平均人数
  3. 3薬剤師が薬剤情報を入手する情報源は?
  4. 4MRから伝えてほしい情報TOP3
  5. 5MRに最も必要と思われる能力
  6. 6印象の良いMRに共通すること
  7. 7印象の悪いMRに共通すること
  8. 8MRの印象に残る良いプレゼン・勉強会などのエピソード
  9. 9将来的にMRの数は減少していくと思うか
  10. 10今後MRに期待すること

引用「 日経メディカルオンライン 第2回薬剤師のMRに対する意識調査より」

 

①MRの面会頻度

全体約85%が日常的にMRと面会

「週1日程度」=26%

「週3~4日程度(19%)」

「月に1日程度(17%)」

「2週に1日程度(13%)」

「ほぼ毎日」=9%

「週3~4回程度」と合わせると28%の薬剤師が、頻繁にMRと面会していると回答しています。

※2020年ではコロナ禍でさらに面会頻度は減っていると思われます。

 

②1日に面会するMRの頻度

MRと「全く面会しない」と答えた薬剤師を除く974人に「1日に面会するMRの平均人数」について聞いたところ、圧倒的に多かったのは

「1人(64%)」

「2人(24%)」

「3人(7%)」

全体の95%が3人以内の面会にとどまっている状況です。

「4人(1%)」「5人(4%)」という回答は少数派。

MRの訪問に対応できるのは1日1~2人程度といったところですね。

 

③薬剤師が薬剤情報を入手する情報源は?

薬剤師が薬剤に関する情報

「医療系メディア(36%)」

「添付文書(25%)」

医学書・専門誌(10%)」

「MR(9%)」

「研究会・講演会(6%)」

「同僚など他の薬剤師(4%)」

「論文(3%)」

多くの薬剤師さんが必要な情報は自ら収集している割合が多いです。
ただ2019年時点ですが情報源として「MR」の情報提供を「研究会・講演会」や「論文」

以上に必要としている部分はまだ希望が持てる部分です。

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④MRから伝えてほしい情報TOP3

ここからは製薬会社側からすると重要なポイントに入ってくると思います。

MRに伝えてほしい情報上位3つを回答

第1位「薬剤に関する最新情報(30%)」

第2位「自社製品に関する最新情報(新薬開発、効果、安全性、ガイドライン等)(23%)」

第3位「インフォームド・コンセントや服薬指導等患者指導に役立つ情報(17%)」

薬剤師は「医療系メディア」や「添付文書」では手に入らない「薬剤に関する最新情報」をMRに伝えてほしいと考えています。

インフォームド・コンセントや服薬指導等患者指導に役立つ情報」「医療に関する最新情報」「他の医療機関や医療連携情報」「社会的な幅広い情報(医薬品以外も含める)」を幅広く伝えてくれるMRが求められています。

 

⑤MRに最も必要と思われる能力

「MRに最も必要だと思う能力」

「要望に合った説明(32%)」

「質問に対する迅速な対応(27%)」

「簡潔で分かりやすい説明(21%)」

「フットワークが軽い・連絡が取りやすい(11%)」

営業としての基本的な能力が高いMRを求めている傾向にあります。

確かに、逆の立場になって考えると患者さんを待たせているのに、要望を出した情報がすぐ手に入らなければ薬剤師さん自体が困りますからね。当たり前の結果かなと思います。

 

た「他薬局の状況等の情報提供」「副作用発生時の的確な対応」「初期使用期間の的確な対応」「説明会等の企画・運営」といった重要視する薬剤師は少ない結果からMR都合の業務よりも日々の業務に役立つ情報を正しく、早く届けてくれるMRが評価されているのは納得のポイントです。

 

⑥印象の良いMRに共通すること

キーワードとして多いのは「正確・的確な情報提供」

「MRに最も必要と思われる能力」で求められている情報提供能力が高いMRは好印象

また、身だしなみや一般常識、礼儀もしっかり見られています。

「清潔感があり、挨拶や言葉遣いが丁寧で礼儀正しく、気配りができる人」が好印象

ごくごく当たり前のことですが、なかなかできていないことはあると思います。

やはりAIとの会話では無いので、伝え方や表現、タイミングや自らの身だしなみといった人間味のある内容が大事なのはいつの時代も変わらないと思います。むしろWEB面談などになればなるほど視覚的、聴覚的な感覚が研ぎ澄まされるので更に重要なポイントになっていると思います。

サイトからの引用コメント

  • 『薬局側の意向を的確につかみ、迅速かつ簡潔に情報提供をしてくれる』(50代女性)
  • 『簡潔で分かりやすい説明』(30代女性)
  • 『自社製品以外にも医療全般について幅広い知識を持っている』(40代男性)
  • 『質問に対する姿勢。その場で答えられなくても、後できちんと回答を持ってきてくれる』(40代女性)
  • 『定期的に訪問してくれる』(30代男性)
  • 『医薬品だけでなく業界の幅広い会話ができること』(50代男性)
  • 『患者対応に必要な情報を特に優先して情報提供してくれる(副作用対策や再評価情報など)』(40代男性)

 引用「 日経メディカルオンライン 第2回薬剤師のMRに対する意識調査より」

 

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⑦印象の悪いMRに共通すること

やはり印象が悪いのは「売り込みが強い/自社製品のアピールしかしない」の回答

自分の都合や会社の立場だけを考えている・言葉に表れるMRは評価されないのは当たり前ですね。

「対応が遅い」

「説明が分かりにくい」

「知識不足・知ったかぶりをする・適当な説明をする」も想像の通りです。

またよくある「医師にしか情報提供しない」といった不満の声。これは長年MRをしていると色んな失敗もあり肝に銘じておきたいところです。「医師に話すのと同じ情報を薬剤師にも提供できるMR」はもちろん信頼度が高いです。

 

あと個人的に確実に敬遠されているなと思うポイント

「タバコの匂いがキツイMR」

「会社が伝えているマニュアル通りに話すMR」

これに関しては100%いい印象はないでしょう。よく薬剤師さんから愚痴を聞いたことがありました。

サイトからの引用コメント

  • 『自社製品のメリットだけを話す』(40代女性)
  • 『売り上げが厳しい時にしか来ない』(50代男性)
  • 『タバコ臭い、香水がきつい、不潔など身だしなみに問題あり』(40代女性)
  • 『態度が悪い、言葉遣いが悪い』(50代女性)
  • 『マニュアル通りの対応しかできない』(20代男性)
  • 『空気が読めない。忙しいときに来て患者さんの迷惑になる』(30代男性)
  • 『アポイントなしで訪問をする』(30代女性)

 引用「 日経メディカルオンライン 第2回薬剤師のMRに対する意識調査より」

 

⑧MRの印象に残る良いプレゼン・勉強会などのエピソード

この部分は販売情報提供ガイドラインの観点から提供できる内容がかなり制限された中では難しくなっているのも事実。

医師の処方意図や臨床現場でしか知りえない情報を聞ける勉強会の開催や医師との情報共有の役割を果たしてくれるMRに高評価が集まっています。

サイトからの引用コメント

  • 『主要病院での採用が決まった薬について、薬局内で勉強会を開催してくれた』(40代女性)
  • 『近隣医療機関との合同研修会を計画・実施し、よい情報交換の場を作ってもらった』(50代女性)
  • 『医療現場でのクレーム応対の勉強会は非常に有益で、ためになった』(20代男性)

 「 日経メディカルオンライン 第2回薬剤師のMRに対する意識調査より」

他には

ネガティブな情報も隠さず伝える

実践的な内容・患者目線の情報提供を行う

参加者に意見を求めるなど双方向のプレゼン

分かりやすいスライドやアニメーションを使った説明

MRの人柄がわかるように自己紹介も取り入れて、自分の言葉として説明する

勉強会での質問で、その場で分からなかった回答を、後日文書にまとめてくれた

など色々な工夫や対応をしてくれるMRに評価が集まっています。

 

⑨将来的にMRの数は減少していくと思うか

「将来MRは減少すると思うか」

45% 「とてもそう思う」

37% 「ややそう思う」

全体の82%がMRの減少を予想。

「あまりそう思わない(4%)」「分からない(2%)」「そう思わない(1%)」は少数派。実際に、MRは減少傾向にあり、今回のアンケートでもその必要性が問われています。

 

⑩今後MRに期待すること

臨床現場や医師の処方意図の情報を求めている薬剤師多い。

AIではできない、医療現場との架け橋になれるような地域医療貢献できるMRが期待。

「今後もAIが代替できない仕事だと思う」というMRにとっては嬉しいコメント

医療を担う1人として自社製品に限らず幅広い医療領域の知識や情報が一層必要となり、

そのような役割を担えるかどうかが今後のMRのキャリア形成において重要となりそうです。

 

サイトからの引用コメント

顔の見えるMR

  • 『AIにはない臨機応変さや相手の要望に的確な対応ができること』(60代男性)
  • 『コミュニケーション。WebサイトやAIにはできない、生きたやり取りをしたい』(40代男性)
  • 『マニュアル一辺倒ではなくさまざまな知見で多角的に説明できる、医療者のよき相談役』(30代男性)
  • 『情報提供よりは人とのつながり(医療関係者同士)を期待』(50代女性)

医師・地域の医療機関との架け橋となる存在

  • 『病院と薬局、地域医療の架け橋になって欲しい』(30代女性)
  • 『地域活動(多職種連携)への参画』(30代男性)
  • 『地域医療や僻地医療、途上国医療といったこれからさらに取り組むべき課題がある分野を共によくしていくこと』(30代男性)
  • 『薬の情報を通じて、医師等医療関係者と薬剤師、そして患者の間を繋ぐMR』(40代女性)

ニーズに合った情報提供

  • 『必要としている情報を必要としているタイミングで提供してくれること』(20代男性)
  • 『添付文書では知り得ない情報、例えば、他の医療機関など臨床現場での薬の使用法や選択方法などの情報を教えてほしい』(50代女性)
  • 『実臨床での使用状況の情報提供』(30代女性) 

引用 「 日経メディカルオンライン 第2回薬剤師のMRに対する意識調査より」


さいごに

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 今後、MRを取り巻く環境はドンドンと変わっていきます。ましてやコロナ禍では尚更です。

開業医さんならまだ会いやすいかもしれないですが、病院担当者では「WEB面談をしろ」「アポイントを取れ」「メールを出せ」「手紙を出せ」「なんとかして医療関係者とコンタクトを取れ」そんなことが会社とMRとで日々繰り返されていると思います。

 

そんな会社都合の押し付けよりかは今一度現場の医療関係者の方々のニーズを洗い出す努力をしてアプローチを精査し継続することが大事かと思います。

本当に反応がない施設もあるでしょう、それなら自分の知識やディテール能力をいつかくるべき面談の機会に向けて磨く努力も必要かと思います。

反応がないのはしょうがないです。それが施設のニーズかもしれません。

いつかアクセスができる時がくると思います。その時のタイミングにコンタクトが取れるように何かの媒体で情報伝達を継続することも大事だと思います。

 

常に環境に不満を漏らして何も行動に移していないMRはどんなときも顧客に真意がバレ良い印象を与える事はできないでしょう。

こうした医療関係者からのフィードバックを私事として捉えるMRは今後生き残っていけるのかもしれません。

以前記事にも書きましたが、「そんな事自分には関係ない」「そこまで考えるのは面倒くさい」と考える方はMRには向いていないので、早く他の業界か個人で仕事をした方がいいと思います。

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